※本動画は2021年10月22日に収録したものです。 今後の法改正等により、内容に不具合が生じる場合がございます。
未登記建物は売買できますか?
はい、売買できます。但し、買主様にとってデメリットやリスクがありますので、売却がしにくかったり、売却価格に影響が出たりすることがあります。
買主さんにデメリットやリスクがあるんですか?
はい、一つとして購入し取得したにも拘らず、所有権を第三者に主張する事が出来ません。
不動産取引では通常売買代金の支払いと同時に所有権が移転し、所有権移転登記も行います。
ですが、建物が未登記であれば移転登記を行うことが出来ません。仮に二重売買などで取引後に第三者がその建物を登記した場合、登記をした第三者に対して、買主様は所有権を主張することができません。
それはとんでもないリスクですね。
そんな危険性のある建物を購入しようとは思わないですよね。
次に、住宅ローンなどの融資を利用しようとしても、融資を受ける事が出来ません。
融資が受けられないのは、どうしてですか?
それは抵当権が設定できないからです。
融資を利用する場合、金融機関はその土地や建物に抵当権を設定します。
万一、返済不能などになった場合、抵当権が実行され競売にかけられることになります。
ところが、抵当権を設定する建物の登記が無ければ、抵当権設定は出来ません。
売買は可能だけれど、実際はそのままで購入してくれる買主様は少ない、と言う事ですね。
買主様の名義に登記できるようにするには、どうすれば良いですか?
誰が所有者なのかわかるようにする登記を「保存登記」と言いますが、「保存登記」をするためにはまず、建物の「表題登記」が必要となります。
「表題登記」ですか?
はい、表題登記とは不動産を特定するため、「不動産登記の表題部になされる登記」のことです。
建物の場合は所在、家屋番号、種類、構造などの登記となります。
ちなみに、不動産登記法では、 表題登記のない建物の所有権を取得した者は、取得日から一ヶ月以内に、表題登記を申請しなければ十万円以下の過料となっております。
そんな法律があるんですね。表題登記の次は?
次は建物の「所有権保存登記」を行います。
保存登記を行うことで、その建物の所有者を明示する事が出来ます。いきなり買主様の名義で保存登記することは法律上難しい為、売主様の名義にすることが一般的です。
つまり、売主名義の建物にしておくと言う事ですね?
はい、そういう事です。
費用負担をどうするか、表題登記と保存登記をいつまでに完了させるかなどは事前に取り決めが必要です。
誰に依頼するのでしょうか?
表題登記は土地家屋調査士、保存登記は司法書士になります。
同じ登記でも、分野が違うんですね。
建物の全体が未登記の場合もありますが、一部が未登記になっている場合もあります。
どんな場合ですか?
別棟を建築したり、増築した場合などです。
なるほど。
原則、売主様は増築による表示変更登記を行って引き渡す必要があります。
ただし、買主様が住宅ローンを利用しない、あるいは引き渡し後建物を解体撤去するなどで、買主様が未登記のままの引き渡しを承諾される場合もあります。
確かにそうですね。何から始めればよいのでしょうか?
まずは、売却に力を入れている不動産業者に相談されるのが良いと思います。
土地家屋調査士や司法書士の紹介はもちろん、物件の特性や想定する購入希望者なども考えながら、アドバイスがもらえるかもしれません。
分かりました。有難うございます。