※本動画は2021年11月24日に収録したものです。 今後の法改正等により、内容に不具合が生じる場合がございます。
不動産の広告で不動産情報の中に、告知事項ありと記載されているものがあるのですが、どのような内容なのですか?
まず、宅建業法では、不動産を買おうとしている人に対して、購入の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる内容は購入者に伝えないといけないという決まりがあり、これを告知義務と言っています。
つまり、告知事項ありと記載されている場合は、購入の判断に重要な影響を及ぼす何かがあるということですね。
はい、そうです。
具体的にはどのようなケースがありますか?
対象となる不動産で亡くなった方がいる場合に記載されていることが多いですね。
家の中で亡くなった人がいるかどうかは、売主が言わなければわからないですよね?
確かにわからないことがほとんどです。
ただし、それを隠していた場合には民事上の責任を問われる可能性もありますし、査定価格にも大きく影響しますので、査定を依頼される際にお伝えいただきたいです。
亡くなった理由が何であっても伝える必要があるのですか?
これまでは宅建業法で具体的なルールがなかったのですが、2021年10月8日に国土交通省から宅建業者に告知すべき基準を定めた「人の死の告知に関するガイドライン」というものが発表されました。
その中では告知をしなくても良いケースとして、売却する場合は2つのケースの記載があります。
一つ目は対象の不動産で発生した自然死や、日常生活の中での不慮の死亡の場合。
二つ目は対象不動産の隣接住戸や、マンションなどの集合住宅の普段は使わない共用部分での死亡の場合です。
賃貸の場合は?
賃貸に出される場合は、この2つに加えて、死亡から3年が経過した場合も加わります。
自然死であれば伝える必要はないんですね。
原則ではそうなんですが、普段使わない共用部分での死亡の場合も含めて、事件性や社会への影響が高い場合や、買主や借主から質問があった場合はお伝えいただく必要があります。
亡くなった場合以外ではどのようなことが告知義務に該当するのでしょうか。
買う方の判断に影響があるかどうかが基準となり、具体的には近所にお墓やごみ集積所がある場合等、いわゆる嫌悪施設がある場合です。
このような場合は、物件資料等に告知事項ありと記載せずに、近隣に墓地ありというように直接的な表現で重要事項説明書に記載されることもあります。
ということは売主のするべきことは、不動産を買おうとする人の気持ちになって、その判断に影響がありそうなことがあれば、査定のタイミングで不動産会社の方にお伝えした方が良いということですね。
そうですね。嫌悪施設については不動産会社の方でも確認することができますので、特に亡くなった方がいる場合には査定の段階で担当者にお伝えいただきたいですね。
わかりました。