※この動画は2022年2月2日に収録しました。今後の法改正等により、動画の内容に齟齬が出る可能性がございます。不動産の売却の際は必ず不動産会社にご相談下さい。
自分が持っている戸建を売却しようと思っているのですが、少々形が変わっており、接している道路から細い敷地があり家が建っている土地なのですが、こういった土地は価格が高くないと聞いたのですが、本当でしょうか。
いわゆる旗竿地ですね。旗のような形の土地なのでこのように呼ばれております。
価格が高くないという点については一般的にはそのようにいわれております。
そうですか。
うちの場合どのような査定方法になるのでしょうか?
通常、土地の査定価格は「取引事例比較法」で計算します。
取引事例比較法とは売却する不動産と条件が近い不動産の過去の成約事例をいくつか選んで平均坪単価を算出し、算出された単価に売却する不動産の広さをかけて計算する方法です。
ではうちも取引事例比較法で計算するのですか?
はい、同じ町内で過去に売れた旗竿地の成約事例があれば利用できますが、旗竿地は特殊なので条件が近い事例はそれほど多くありません。
では、どのような査定をしていくのでしょうか。
はい、旗竿地の場合には路線価を使って計算します。
路線価ですか。
ニュースで聞いたことはあるんですが、どんなものですか?
路線価とは国税庁が毎年7月から8月に公表するその年の1月1日時点における主要な道路に面した1㎡あたりの土地価格を公表するもので相続税や贈与税を計算するときに活用されます。
国税庁ですか、知らなかったです。
そうですね。あまり馴染みがないかもしれませんね。
路線価は国土交通省が発表する公示価格の8割程度に設定され、その公示価格を1.1から1.2倍したものが実勢価格の目安といわれております。つまり、路線価を1.3から1.5倍にすればおおよその相場価格がわかるということになります。
では路線価で土地面積を掛ければ査定金額がわかるということでしょうか。
はい。ですが、土地の評価は奥行の長さによって影響します。
奥行きが極端に短い場合や長い場合は一般的な土地と比べて利用価値が低いとされています。そのため路線価を計算するときには、まず奥行価格補正率を掛け算しなければなりません。
「奥行価格補正率」とはなんでしょうか?
はい、奥行価格補正率とはその宅地から奥行距離に応じて奥行価格補正率表に定めらている補正率です。
正確な表現でいいますと、道路からの奥行の長さに応じて路線価を調整するための補正率のことをいいます。
奥行価格補正率を使ってどのように計算するのでしょうか。
はい、1㎡あたりの路線価格=路線価×奥行価格補正率で計算します。
これでやっと査定金額が出るのですか?
いえ、これは路線価での計算方法ですが、旗竿地の場合間口が狭小な宅地などや不整形地の計算をしなければなりません。
まだまだあるのですね。
二つの違いを教えてください。
まず間口が狭小な宅地などは1㎡あたりの路線価格に間口狭小補正率と奥行長大補正率を掛け算して計算します。
間口狭小補正率は間口が狭い土地の評価額を減額するための補正率です。
奥行長大補正率とは間口のわりに奥行が長い土地の相続税評価額を減額する補正率のことをいいます。
どちらも旗竿地のような特徴のある土地に対して補正を行うために地区や距離によって数値化されております。
不整形地の計算はどうですか?
不整形地は1㎡あたりの路線価格に不整形地補正率を掛け算して計算します。
不整形地補正率は崖地割合いに応じて定められます。崖地とは不整形地全体を囲むような正方形や長方形の土地、想定整形地ですね、を想定した場合にその想定整形地のうち不整形地以外の土地をいいます。
また、不整形地補正率の適用については不整形地補正率×間口狭小補正率と奥行長大補正率と間口狭小補正率のいずれか有利な方で計算します。
わかりました。不整形地の場合も路線価格に対して補正率を掛けていき調整をはかるのですね。
うちの土地の場合はどちらを利用したらいいでしょうか?
そうですね、一概には言えませんので計算した結果、評価額が高い方を選びたいとことではありますね。
その金額で売れますか?
そうですね、残念ながらこの方法で計算した査定価格で売れるわけではありません。
ここから過去に売れた旗竿地と比較したり、現在周辺で売り出されている土地の販売価格を考慮の上、査定価格が決まっていきます。
詳しくは地元に密着した不動産会社にお尋ねいただくと近隣事例も熟知しているのでより正確な査定金額が出るかと思います。
わかりました。ありがとうございました。