※この動画は2022年2月2日に収録しました。今後の法改正等により、動画の内容に齟齬が出る可能性がございます。不動産の売却の際は必ず不動産会社にご相談下さい。
相続予定の実家があるんですが、親に家の前の道路は私道ではあるが、相続した後に建て替えや売却をすることはできるはずだと言われていたのですが、私道とはいったいどういうものなんでしょうか?
はい、まず道路は公道と私道に大きく分けられます。
公道とは国や地方自治体が管理している道路が公道です。一方、私道とは個人などが所有管理している道路のことです。
確かに私道は私の道という字ですね。
次に一般的に私道は個人が単独で所有しているか、複数の個人が共同で所有しております。
複数人で所有している場合もあるんですね。
親が言っていた建て替えは問題ないのでしょうか?
公道でも私道でもその道路が建築基準法の道路であり、敷地が2m以上接していれば建物の建築許可は得られます。
よかった。
ただ、法的には建築が問題なくできる敷地でも建築の工事を行うことができない場合があります。
え?なんでですか?
私道は維持管理も個人の責任と負担で行います。
例えば複数の人が共同所有している私道に埋設している水道管や下水管が老朽化のため補修や交換をする場合などは、私道の所有者が共同して私道の掘削や復旧をします。
確かに個人で所有しているのでそれは必要ですよね。
はい、そのため私道の持ち分を持っていない人がいざ建物を建て替えしたり、上下水道の引き込みをしたりする場合、勝手に道路を掘ったり、工事車両を通行させることはできません。
その場合どのようにすればいいんでしょうか?
はい、私道の持ち分を持っている所有者全員からの道路掘削承諾書や通行承諾書などのいわゆる許可が必要になります。
なるほど、所有者の方々から許可を頂ければいいんですね。
はい。ただ私道の持ち分を持っている近隣の人たちとの関係が良好であれば承諾書を得ることも可能ですが、多額の承諾料を要求されることもあります。また、近隣との仲が良くないなどの理由で承諾が得られないケースもあります。そうなるとせっかく建築のょかを得ることができても工事自体ができません。
その場合、建て替えができないということですよね。
はい、そうですね。
また、建築ができない不動産では売り出しても買う人がいないということになってしまします。
どうしたらいいんでしょうか?
はい。親御さんが元気な間に解決しておくことがベストですね。
私道で最も大きな問題は承諾許可が取れないということです。親御さんの代では近隣との付き合いもあるため、このような問題があっても解決できる可能性が高くなりますが、子供同士の代になると近隣関係も希薄になり、簡単に承諾してもらえないことが少なくありません。
確かに親は近隣同士仲がいいけど、私は正直付き合いがないです。
そうですよね。
ですから相続予定の不動産問題は早めに把握し、解決方法を探る必要がありますが、親御さんが元気な間に解決できるように日ごろから親子のコミュニケーションを持ち問題を共有しておくことが大切です。
先延ばしにしがちだけど、きちんと話し合っておいた方がいいですね。
そうですね。特に私道の問題は法律的に複雑で人間関係も絡んでくるため、お近くの不動産会社などの専門家のサポートを受けながら、早期に解決を図ることをお勧めします。
わかりました。ありがとうございます。